子どもにとって便秘と排便痛は、とても苦痛なものです。

子どもの便秘は無理にいきんだ排便をして肛門に痛みを感じ、それを避けようと我慢してしまうことから悪化するケースが多々あります。

そのようなつらさを味わわせないためには、まず「便秘にならないよう予防する」という根本的対策を講じることが大切です。

子どもの便秘を慢性化させないために

子どもの便秘の慢性化は、「排便をガマンする」ことから始まるケースがほとんどです。

大腸は便の水分を吸収するはたらきがある器官です。大腸から排出されず長時間のこされた便は、どんどん水分が吸い取られて硬くなってしまいます。

子供がそのカチカチに硬くなった便をむりに出そうとすると、強い痛みを伴ってしまうので危険です。肛門を傷つけて切ってしまったり、その恐怖感からまた便の排出を抑制するという悪循環ループに陥ったりしてしまいます。

さらに危険なのは、排便のガマンにより腸の感覚が鈍くなってしまうことです。便が腸の中にある状態が長く続くと、直腸は便意そのものを感じなくなります。

すると子どもは、腸に便があっても便意がないのでそのまま放置してしまいますよね。

これらの悪い習慣の循環から、子どもの便秘は慢性化して重い症状へとつながってしまうのです。

重症化した便秘では、腸につまった硬い便のすき間から、やわらかい便がもれ出してくる「便失禁」という状態になることもあります。

これは、排便を自分の力でコントロールができないため、時や場所に関係なく一日に何度も漏れだしてくる厄介な状態です。

子どもの便秘の慢性化を避けるためには、大人が早期発見をしてあげることがポイントとなります。

毎日の便を観察して、「少しコロコロしたうんちだな」「排便の回数が少ないな」などと感じたら、早めに対処して便を腸内にため込まないように気をつけてあげましょう。

善玉菌を増やして子どもの便秘を防ごう

子どもの便秘を予防するには、腸内細菌のバランスをよくすることが効果的です。

人の腸内には大きく分けて、善玉菌、悪玉菌、日和見菌という3種類の腸内細菌が住んでいます。

悪玉菌は、ヒトの身体に必要なタンパク質やアミノ酸を食い荒らして有害な物質を作り出し、腸内環境を下痢や便秘になりやすい状況に傾けてしまうのです。

それに対して善玉菌は、悪玉菌の繁殖を抑えて有害物質が体に吸収されるのを防いでくれます。

善玉菌から作られる有機酸が腸の活動をうながして便を押しだし、そして善玉菌自体が便を作る成分となって便秘を予防することに役立ってくれるのです。

実は生まれたばかりの赤ちゃんの腸内は、99%が善玉菌で構成されています。大人に比べてかなり多いですよね。しかしその後、食べたものや環境の変化によって善玉菌は減っていきます。

便秘を予防するには、善玉菌を増やすような食事や生活を送るようにしなくてはいけません。ヨーグルトやキムチ、納豆や浅漬けといった発酵食品には、善玉菌そのものが含まれているため、腸内に善玉菌を増やすのにとてもよい食べ物です。

他には、善玉菌を増やす助けとなる食物繊維、善玉菌のごちそうとなるオリゴ糖を多く含む食品を食べるようにするとよいでしょう。

食物繊維はイモ類や豆類、ゴボウやニンジンなどに多く含まれます。

オリゴ糖を多く含む食品はバナナ、きな粉、玉ねぎ、牛乳などです。これらの食品を日常的にお子様に食べさせるようにしましょう。

子どもの便秘は解消後の予防治療が大切

お子様が便秘になったら、まずは腸内にたまっている便を排出して、慢性化しないようにすることが大切です。

しかし便秘解消後に前と同じ生活を送ると、再発する可能性があります。

そこで大切なのが再発の予防です。

便秘および再発の予防策は、生活習慣と食事内容の改善が中心となります。

生活習慣の改善としては、下記の3点の実践がおすすめです。

  1. 早寝早起きをし、規則正しい生活を送る。
  2. バランスのとれた3食の食事と、きめられたおやつ以外の間食をしないこと。
  3. 適度な運動をすること。

また、下記の正しい排便習慣を身につけることも大切です。

・便意を感じたら我慢をせずにトイレに行く。

・ゆとりがある、排便のしやすい時間にトイレにすわる。

食事内容の改善では、このような点に注意しましょう。

・便を作るために十分な量の食事がとれているか(便はある程度の量がないと、腸の中に残りやすくなります)。

・水分が不足していないか。

便秘の改善は、多くの場合長い時間がかかるものです。

お父さまやお母さまがあせってしまうと、それがお子さまに伝わり便秘解消がうまく進まなくなります。

ゆったりとした気持ちで、お子さまによりそいながら取り組むようになさってください。