子どもが便秘になることは、めずらしいことではありません。

だからと言って放っておくと慢性化し、「便失禁」などの症状を引き起こしてしまいます。

便失禁とは肛門をコントロールする筋力の低下で起こる便漏れのこと。便失禁はとつぜん起こるので、トイレへいくまでに間に合わないケースがほとんどです。

ここでは、トイレトレーニングとも関わりがある、子どもの便秘についてお伝えします。

子どもの便秘の原因とは

子どもの便秘が始まる時期の多くは……

  1. 離乳食をはじめた時期
  2. トイレトレーニングの開始時期
  3. 小学校入学時

今までとは異なる食事や環境の変化などがきっかけとなり、腸の動きが鈍くなったため便秘を発症しがちになるのです。

大人でも職場や住居などの環境変化があるとストレスで便秘・下痢になることもありますよね。

子どもは一度便秘になると便が硬くなってしまい、排便時に肛門を傷つけがちになり、排便痛を伴います。

すると次に便意がおこっても、また「あの痛みがおこるのではないか……」と怖くなり、我慢してしまうのです。しばらくすると便意は収まるため、便は大腸内に溜まったままになります。そこからが「硬便」による便秘のはじまりです。

便が残ったままの大腸内では、腸壁が便に含まれている水分をどんどん吸収してしまいます。

すると水分を失って固形分だけがのこった便はさらに硬くなり、排出されにくくなるという悪循環に陥ってしまうのです。

こういった悪循環が子どもの便秘の原因となっているのですね。

トイレトレーニングで便秘になるのはなぜ

「離乳食をはじめた時期」に便秘になりやすいのは、食べるものがミルク(液体)から食事(固形のもの)になることで便が硬くなるという物理的な理由です。

しかし、「トイレトレーニング開始」と「小学校入学」はお子様の精神的なものが影響して、腸の動きが鈍くなることでおこると考えられます。

便意は、直腸の動きによっておこりますが、心の不安や緊張によってうまく活動しなくなってしまうのです。

大人でも、緊張する場面でおなかが痛くなり下痢症状をおこしてしまったり、逆に便秘になってしまったりすることがありますよね。

「小学校入学」は、お子様にとって大きな環境の変化があるので、精神的負担が大きいのは、ある意味、当たり前と考えられます。

では、トイレトレーニングが子どもの心に不安や緊張を与えてしまうというのは、どうしてでしょうか。

可能性としては、親御さんのあせりにあると考えられます。「はやくおむつをはずしたい」という思いから、お子様の発達段階にそぐわない時期にトイレトレーニングを始めてしまうということが理由です。

おむつからトイレに移行するには、下記三点の発達が必要となります。

  1. 膀胱におしっこをためられる体の発達
  2. トイレまで我慢をしてトイレで用を足そうとする脳の発達
  3. うんちやおしっこはトイレでするルールであることを理解する

これらの発達が十分でないうちにトイレトレーニングを始めても、当然うまくできません。

自分が失敗したことで親御さんががっかりしたり不機嫌になったりする様子を、お子さまは敏感に感じ取っています。

その結果、心理的なプレッシャーを受けて便秘につながってしまうのです。

お子さまの発達スピードは、ひとりひとり違います。ご自分のお子さまの様子をよく観察して、お父様やお母さまがお子様のペースに合わせて、トイレトレーニングを進めてあげるようにしましょう。

便秘にしないトイレトレーニング

便意を我慢することが便秘に陥る原因となるため、トイレトレーニングは便意を感じたらトイレに行くことから始めるとよいでしょう。

それまでは、立っていきんでいた子が多いと思われるので、座った状態でいきむことは子どもにとってとても難しいことです。

うまく排便できなくても怒らずに、お子さまがトイレに行くことを「楽しい」と思えるように配慮しましょう。

便がうまくでたときに気持ちよさを感じることができると、その後のトイレトレーニングもスムーズにいくことが多いようです。

大人(お母さま・お父さま)の大切な役割は、お子さまがうまく排便できない原因を見つけることと、一つずつその解決の手立てをとること。

この二つです。

例えば足場が安定していないためにふんばることができない、食事内容によって便が硬いなど。なにか原因はあるはずです。

また、排便は生活リズムとも密接な関係があるので、食事をしたあとは必ずトイレに行かせるなど習慣化することも大切でしょう。

トイレトレーニングはすぐにうまくいかなくても短気にならず、お子さまの様子をみながら二人三脚でおこなっていきましょうね。