子どもが便秘になっても、「よくあること」と思われて放置してしまうケースが多いようです。

しかし、そのために便秘が悪化して、治すことが大変になったり、重大な病気につながったりすることもあるというのはご存知でしょうか。

今回は便秘の放置にはどのような危険がともなうのかというお話しをいたします。

子どもの便秘を放置すると

子どもは一度硬い便をむりに出そうとして肛門を傷つけてしまう経験をすると、「またうんちをすると痛くなるかも……」と考えて我慢することがあります。

すると大腸に残った便の水分はどんどん吸収されてしまうので便はどんどん硬くなり、ますます排泄しにくくなることで便秘がはじまるのです。

便秘を放置し続けると突然おなかが痛くなり、冷や汗をかきながら転げまわるほど痛がるような症状が出ることがあります。

おなかが痛くなる直前までは食欲もあって普通の様子なので、家族の方も便秘症であることに気づかないことも多いようです。

さらに慢性的な便秘となり、腸が引き延ばされた状態になると便意を感じることもなくなってしまいます。すると固い便がつまったすき間から、柔らかい便が漏れ出してくる「便失禁」という症状にまで進んでしまうこともあるのです。

便失禁では、自分の意志とは関係なく勝手に便が漏れ出してしまいます。それが学校などでおこると他の子の目も気になって、子どもにとっては大きなストレスになってしまいますよね。

便失禁の症状が現れるときは、かなり重症です。すぐに医療機関の診察を受けましょう。

病気が原因でおこる子どもの便秘

便秘には、もともとお子様がもっている病気が原因でおこる「器質性便秘」というものもあります。

子どもの便秘の原因となる病気で代表的なものは、ヒルシュスプルング病と鎖肛というものです。

ヒルシュスプルング病のお子様には、生まれつき直腸や肛門の神経節細胞がありません。

通常腸には約1億個の神経細胞があり、腸の中に入った食べ物を感知して蠕動運動をおこすための信号を送るというはたらきをしています。

そのためこの病気をもつお子様は、腸がスムーズに食べ物を肛門側に運ぶことができずに便秘になってしまうのです。

ヒルシュスプルング病保持者はおなかの中に便やガスが溜まってしまうので、腹部が風船のように膨らみます。また、おなかがすぐにいっぱいになるので、ミルクをたくさん飲むことができません。

そのため体重がふえなかったり、栄養不足になったりすることがあります。

また鎖肛というのは、肛門がちゃんと開いていないために便がでない病気です。

生まれつきの奇形で、肛門がつくられていなかったり、小さな穴しか開いていなかったり、肛門の場所が通常の位置からずれた場所にあったりとさまざまな症状があります。

どちらの病気も、医師の診断による適切な治療を受けることが大切です。

生まれてすぐの赤ちゃんのときから便秘の症状がある場合や、便秘の治療をしてもなかなか改善しない場合には、そのような病気がないかを検査してもらったほうがよいでしょう。

子どもの便秘の治療法

軽い便秘の場合は、食事療法や生活習慣の改善を中心に治療をしていきます。

しかし腸内に大量に便がたまっている場合は、まずその便を外に出さなくてはいけません。

治療法は、お子さまの症状や年齢などを考慮しながら、浣腸や下剤を用いて便を排出させることがほとんどです。

しかしそれらの方法でも便が出ないほど症状が重い場合は、腸をあらう「洗腸」や、指を腸内に入れて便をかき出す「摘便」といった処置がおこなわれます。

腸の中が空になっても、治療は終わりではありません。再発を予防するための治療が必要になります。

治療は大きく分けて、生活習慣の改善、食事内容の見直し、薬による治療の3つです。

投薬に対しては、依存症にならないか不安に思う親御さんもいらっしゃるかもしれません。しかし医療機関において子どもに用いられる薬は依存性のないものが使われていますから、安心して医師の指示に従ってください。

もちろん、症状が改善していけば、薬の量や回数はだんだん減らされていきます。

できれば病院での治療が必要となってしまうまえに、生活習慣の見直しによる体質改善を心がけてあげたいものですね。